「種まく人―ヴィラデスト物語 」を読んで、本当の文化(culture)とは何かを考える。
エッセイストとして有名な玉村豊男さんの「種まく人」を読んだ。
いまや日本有数のワイナリーとなった玉村さんがオーナーを務める
「ヴィラデストワイナリー」。
http://www.villadest.com/index.html
そのワイナリーの原点となった長野県東御市の土地に巡り会うまでの
紆余曲折が、洒脱な文章で書かれている。
(ちなみに一度「ヴィラデストワイナリー」のワイン会ディナーに行ったことがあります)
http://www.marronniergate.com/pc/topics/20120112mi/index.html
私がこの本の中で一番感銘を受けたのは、
その土地を買うまでの出来事よりも、
"文化(culture)"に関する記述でした。
「文化(culture)」の語源はラテン語の「耕す(cultura)」であり、
農業=agriculture は、土(agri)を耕す(culture)という意味からも、
まさに文化的な営みである。
同じ「種まく人」で思い出すのが、ミレーの絵であり、
そのミレーの絵をマークにしている、あの岩波書店。
本の役目というのは、「種をまく」つまり意見や情報を発信して、
人の心に何かを耕すこと(=感動や感銘や発見など)なんだなと思いました。
笹塚のパン屋さん「シーズマン・ベーカー」(まさに種まく人という意味!)や
http://arai0903.hatenablog.com/entry/2013/01/05/172820
高円寺の八百屋さん「キムラ」(店主の木村さんが埼玉の狭山で種まいて野菜を育ててます)
http://arai0903.hatenablog.com/entry/2013/01/07/235138
のことを書いていたら、無性に読みたくなった一冊でした。